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2023年11月21日

【活動紹介】学生団体Connect Hiroshimaが核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を求める署名4万筆を提出

1. はじめに

 2023年11月27日から12月1日にかけて、アメリカ・ニューヨークにある国連本部にて核兵器禁止条約第2回締約国会議が開催される。広島を拠点に活動する学生団体Connect Hiroshima (コネクト ヒロシマ)は、8月30日より『核兵器禁止条約第2回締約国会議へのオブザーバー参加を求めます #WishYouGoToNY』と題した署名活動をオンラインと対面で実施した。ここでは10月31日に外務省へ署名を提出した際の内容と11月1日に行った6名の国会議員との意見交換会について報告する。

2.外務省での活動内容

 提出前日の10月30日時点で、計43,288筆の署名が集まった。10月31日、Connect Hiroshimaのメンバー2名(代表・大内由紀子、神浦はる)が外務省を訪問し、署名目録を外務省軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課の齋藤翼 首席事務官へ直接手渡した。その後約30分間にわたり非公開の意見交換を行い、ウィーンでの実体験も交えながら、大学生ならではの視点で思いを述べた。

3. Connect Hiroshima側の主張・発言の趣旨

 世界各国から日本政府の姿勢が問われていることや、唯一の戦争被爆国日本が果たすべき国際的な役割として、まずは第一歩であるオブザーバー参加を求める、という趣旨の主張を行った。他にも、両名とも第1回の締約国会議に焦点を当て、オブザーバー参加したドイツ・オーストラリアなどのように、まずはオブザーバー参加して会議の場に立つことの重要さを述べた。そして、核兵器禁止条約の特徴として『被爆者や被爆2世などの支援』『科学的な議論』『世界のヒバクシャ』が言及されていることを挙げ、日本政府として核兵器禁止条約に関わることの必要性と理由を主張した。

4.外務省側からの主張・発言の趣旨

日本政府の立場として、核保有国が参加しておらずまだまだ課題も多い核兵器禁止条約には署名・批准はできないこと、核兵器禁止条約は『出口』であり、核のない世界を実現するための具体的な糸口を見い出せていないことなどを、核兵器禁止条約に賛同できない理由として説明された。
 加えて、日本政府はNPT(核不拡散条約)再検討会議などへの参加、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議の開催、『核軍縮に関する G7首脳広島ビジョン』のとりまとめなどを率先して行っているため、核兵器禁止条約に関与していなくても立場を明確に表明できている、との主張があった。
 一方で「若者の考えを知ることができた」という好意的な反応もあった。今回の意見交換を通して、大学生を中心とした若者世代の声を直接聞くことができ、ありがたく思っているという発言があった。今後さらに若者の意見に耳を傾け、意見を取り入れたり参考にしたりしていきたい、といった趣旨の比較的好意的な反応であった。

 最後に、若者へのメッセージを求めたところ、「若者には、政治や安全保障、社会問題などを『自分事』として捉え、諦めて無関心になるのではなく、『自分たちが未来を作っていくのだ』という自覚を持ってほしい」というメッセージを伝えられた。

5.活動成果

 署名数やこちらの意見に対して比較的好意的な反応を受けた印象があり、全体的に和やかな落ち着いた雰囲気で意見交換をすることができた。こちらの意見を臆することなく伝え、署名と共に思いを直接届けられたことが、一番の成果であったと考える。
 外務省側は締約国会議参加に関する明確な回答をせず、一貫して日本政府の考えを示していたものの、若者世代が主体的にとりくむ活動への敬意が示され、意見の違いはあったとしても、継続して意見交換に応じる旨を伝えられた。今後の活動に繋がる会になったと感じる。

6.国会議員との意見交換会について

翌日の11月1日、国会議員と面会し、外務省へ署名提出をしたことの報告と、核兵器禁止条約に関する意見交換を行った。面会した議員は以下の6名である。(五十音順)

参議院議員 古賀千景氏 (立憲民主党)
衆議院議員 寺田稔氏 (自由民主党)
参議院議員 福島みずほ氏 (社会民主党)
参議院議員 水岡俊一氏 (立憲民主党)
参議院議員 森本真治氏 (立憲民主党)
衆議院議員 山田勝彦氏 (立憲民主党)

7.意見交換内容

我々からは、署名活動の内容と成果を報告し、核兵器禁止条約の意義と共に今後国会でもこの条約への政府の関わり方を議論してほしいということを要請した。野党全ての議員から「政府は核兵器禁止条約と向き合い、まずは締約国会議にオブザーバー参加するべきだ」という発言があった。一方で寺田 稔氏からは「たとえ日本がオブザーバー参加したとしても核保有国のアメリカが参加すると思えない。そこまでいかなければ核軍縮と廃絶まではいかない」という主張があり、日本政府がオブザーバー参加することに後ろ向きな姿勢がうかがわれた。

8.今後について

 締約国会議が始まる前日の11月26日まで署名活動を継続し、市民の声をさらに集めることで、日本政府のオブザーバー参加を求め続けていく。
本団体代表の大内は、核兵器禁止条約第2回締約国会議に合わせ、アメリカ・ニューヨークへの渡航(11月26日〜30日)を予定している。現地では締約国会議の傍聴やサイドイベントへの参加、現地日本領事館前でのスピーチを行う。
 今回公表した署名数はあくまで途中経過のため、署名活動の期間が終了し、大内が帰国した後、最終結果と活動報告を含めてもう一度訪問したいと考えている。

(Connect Hiroshima 大内由紀子さんより寄稿)

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