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2013年04月22日

「核の非人道性」声明、日本政府内に署名反対論

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22日から始まるNPT準備委員会で、昨年来の核兵器の非人道性に関する共同声明が今年も準備されています。
共同通信は22日付の配信記事で、「スイス政府が日本政府に賛同要請をしたが、日本外務省の中には反対論もある」と報じています。下に、その記事を紹介します。
この問題は昨年来、「核兵器の非合法化を求める声明への日本の署名拒否問題」として話題になってきました。核兵器廃絶日本NGO連絡会は、昨年来、同声明への日本の署名を求め、これを拒否する政府の姿勢を質してきました。
今年は、スイスなどの声明起草国は、原案から「非合法化を求める」という表現を落とし、日本のように「核の傘」に頼る国も賛同しやすいようにという工夫をしています。
それでもなお、核兵器使用の非人道性を強調し「いかなる状況下でも核が再び使用されないことが人類の生存に利益となる」とする内容の声明への賛同に外務省内の一部が反対しているというのです。
共同声明は、本日から明日(22~23日)にかけて国々の賛同をえてとりまとめられるものと思われます。
日本がきちんと署名するように、外務省に働きかけましょう。

★要請先 03-3580-3311外務省(代表) >担当:軍備管理軍縮課
 メールでの意見提出>https://www3.mofa.go.jp/mofaj/mail/qa.html

(2013年4月22日、共同通信)
日本に核不使用声明への賛同要請 スイス、外務省に反対論

記事の内容はこちら(各紙の紙面から引用)↓

核不使用声明への賛同要請 
スイスが日本に  外務省に反対論

 ジュネーブで22日に開幕する核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会を前に日本がスイスから、核兵器使用の非人道性を強調し「いかなる状況下でも核が再び使用されないことが人類の生存に利益となる」とした共同声明への賛同を求められていることが21日、分かった。
外務省が可否を検討しているが、米国の提供する「核の傘」への影響や、核使用をちらつかせる北朝鮮への抑止力低下につながりかねないとして一部に反対論が出ている。複数の日本政府関係者や準備委員会筋が明らかにした。
日本は昨年秋の国連総会で「核兵器を非合法化する努力」を促した共同声明への賛同を求められたが、日本の安全保障政策に合致しないとして拒否した。
スイスなどは今回、日本の賛同を取り付けようと「非合法化」の表現を削除したが、それにもかかわらず唯一の被爆国・日本が拒否すれば、内外の強い非難を招くのは必至だ。
共同通信が入手した南アフリカ起草の「核兵器の人道的影響に関する共同声明」には、スイスやメキシコなど15カ国が賛同。米国の核抑止力に依存する北大西洋条約機構(NATO)加盟国のノルウェーやデンマークも名を連ねている。
声明は核使用が招く「壊滅的な人道上の結果への深い懸念」を表明し、広島、長崎への原爆投下の経験から核使用が「受忍できない危害」をもたらすと指摘。「核兵器が再び使われないことを保証する唯一の手段は核廃絶」としている。
日本外務省の一部部局は、核兵器の不使用が人類の生存に利益となるとの文言を問題視。核使用の完全排除を是認すれば「核の傘」に依存する国防政策との整合性が取れないなどとして反対している。声明は賛同国を募り、今週前半にも準備委で南アが発表する見通し。(共同=太田昌克)

【解説】
理解困難な「ムラの論理」 

内外の失望と批判必至 

スイスなどが主導して、22日からの核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会で発表する予定の共同声明への賛同に反対しているのは、米国の「核の傘」を絶対視する日本外務省の安全保障政策担当者らだ。
「核が再び使用されないことが人類の生存に利益となる」という当たり前の声明に反対する理屈は、被爆国の国民には理解できない「安保ムラ」の論理と言われても仕方ないだろう。
今回の共同声明は昨年秋に国連総会に出された声明と違い、核兵器の「非合法化」に関する記述はない。核軍縮分野で特別の発言力を持つ日本に賛同してほしいと、起草国の南アフリカやスイスが苦心した結果だ。こうした配慮にもかかわらず日本が賛同を拒否すれば国際社会の失望と批判は必至で、国内からも怒りの声が上がると予想される。
反対の理由は、「いかなる状況下でも」核が再び使用されないことが人類の利益だという声明に名を連ねれば、自国の存亡が脅かされる事態でも核使用を認めないとの姿勢に映り、「傘」を提供する米国を刺激するというものだ。
しかし、声明のこの表現は、核の使われない世界こそが人類の繁栄と安寧につながるという当然の「真理」を言っているにすぎず、安保政策の転換を示唆するものではない。反対派の理屈は「ムラ」の過剰反応、過剰防衛と受け取られ、内外の理解を得ることはできまい。(共同=太田昌克)

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