「NPT再検討会議に向けた外務省との意見交換会」レポート
2026年4月27日より開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議を前に、核兵器廃絶日本NGO連絡会は、4月14日、日本政府に対する要請書(こちら)を提出し、外務省との意見交換会を開催しました。午後4時過ぎから約1時間にわたり行われた意見交換会には、外務省軍縮不拡散・科学部の松本恭典審議官らが、NGO側からは9団体13名が参加しました。以下、概要をレポートします。

松本審議官(左)に要請書を手交する田中さん(右)
意見交換の冒頭では、NGO連絡会の田中熙巳共同代表が挨拶し、厳しい国際情勢のなかでの開催となるNPT再検討会議について、日本政府に対して会議の成功に向けて尽力することを期待すると述べました。そのうえで、今回の会議では、3回連続での合意失敗を避ける必要があることや米国やロシアによる軍事侵攻などの情勢にどう向き合うかなどが問われると強調しました。
外務省の松本審議官は、NGOからの要請を受け止め、検討を進めると述べ、唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けて国際社会を主導する使命を強調し、会議の成功に向けて全力で臨むとの考えを示しました。

その後、松本審議官らとの非公開の意見交換が行われました。NGO連絡会としての受け止めは以下の通りです(引用ではありません)。
NGOからの要請の各項目に対して以下のような回答がありました。
要請項目①に対して:日本政府は、核兵器の使用が甚大な被害をもたらすとの認識のもと、核が二度と使用されることがないよう「核兵器のない世界」に向けた取り組みを強化していく。核戦争の影響に関する独立科学パネル設置にも賛成し、メンバーに朝長万左男さんを推薦するなど、積極的に関与している。
要請項目②に対して:透明性の向上などの現実的措置を進める。米ロのみならず中国を巻き込んだ核軍備管理を重視している。
要請項目③に対して:核実験モラトリアムによって条約の実質を実践していくことを求めていく。これは「核兵器のない世界」の実現に極めて重要である。CTBTの早期発効を含め、NPTの維持・強化に努める。
要請項目④に対して:核不拡散のためにNPTの維持こそが最も重要であると認識している。また、CTBTの交渉開始を推進する。核燃料サイクルの方針は外務省の担当ではないが、日本政府としてプルトニウム保有量の減少を進める方針を打ち出している。原潜保有について政府として何ら決定したという事実はない。「次世代の動力」について検討していくとしただけである。
要請項目⑤に対して:TPNWは「核兵器のない世界」への出口ともいえる重要な条約だが、それへの対応は慎重に検討していく。FMCTやCTBTで主導的役割を担い、「核兵器のない世界」の実現へ着実に前進する考えである。

その後の意見交換では、NGO側からは、NPT再検討会議において、非核三原則を堅持することや、米国のトランプ大統領が「文明が滅びる」と発言したことなどを念頭にあらゆる核の脅しに反対することを日本政府として表明するよう求める声が上がりました。
日本政府からは、核保有をめぐっては我が国としての方針は何も変わらない、そのような姿勢を国際社会に示していく必要があるなどの返答がありました。
終了後、NGO参加者は連合会館にて共同記者会見を行いました。意見交換会および記者会見の様子は、以下のメディアで取り上げられました。
●毎日新聞「日本被団協など、NPT再検討会議「日本主導で」 政府に要請」(2026年4月14日)
●中国新聞「NPT会議で「核の非人道性」明記を 日本被団協、外務省に5項目の要請書」(2026年4月14日)
●長崎新聞「核保有国による侵略や武力攻撃、批判を…外務省に「核兵器廃絶日本NGO連絡会」が要請」(2026年4月15日)
●NHK NEWS 「NPT再検討会議前に 被爆者やNGOメンバーなどが外務省訪れ要請」(2026年4月14日)
●NHK WORLD 「Atomic bomb survivors, NGOs urge Japan’s government to lead NPT efforts」(2026年4月15日)
●TBS NEWS DIG「NPT=核拡散防止条約の再検討会議を前に「核兵器廃絶日本NGO連絡会」が政府に要請書を提出」(2026年4月14日)
●広島テレビ「核兵器の非人道性訴えるよう要請 NPT再検討会議を前に被爆者団体らが政府へ」(2026年4月14日)
●しんぶん赤旗
