Campaign News

2026年06月15日

日本の7金融機関が核兵器製造企業に約5.8兆円を投融資

 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)パックス(PAX)が、世界の金融機関による核兵器製造企業への投融資について調査した英文レポート「軍拡競争への投資(Investing in the Arms Race)」を発表しました。

 以下では、核兵器製造企業への投融資について、レポートの内容をもとに世界と日本の現状を紹介します(日本についての詳細な解説はこちらを参照)。

 ※レポートの内容に関する問い合わせは、ICANおよびPAXに直接ご連絡ください。

近年の世界の流れ:軍拡競争の加速と投融資の増加

 ICANとPAXのレポートでは、2023年1月から2025年9月の期間において、世界の301金融機関が合計で約1兆89億ドル(約160兆円)を核兵器製造企業の主要25社に投融資していることが明らかになりました。

昨年版レポートとの比較

 昨年版レポートと比較すると、以下のような特徴が見られます:

⚫︎投融資額の増加:投融資の総額が約1,894億ドル(約30兆円)増加しています。

⚫︎金融機関数の増加:核兵器製造企業に投融資している金融機関数が301に増加しました(昨年版レポート:260機関)。

 これらの背景には、ウクライナおよび中東における武力紛争や国際的な対立の深まりを受けて、核保有国が核兵器の増強を加速させている現状があると考えられます。

日本の金融機関による投融資

 日本においては、3つのメガバンクをはじめ7つの金融機関が、約366億ドル(約5.8兆円)を核兵器製造企業に投融資していることが報告されています。以下が一覧です。

 日本の金融機関一覧

⚫︎みずほフィナンシャルグループ
⚫︎三井住友フィナンシャルグループ
⚫︎三菱UFJフィナンシャルグループ
⚫︎オリックス株式会社
⚫︎年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)
⚫︎日本生命保険相互会社
⚫︎日本政策投資銀行(DBJ)

日本の特徴と昨年版レポートからの変化

⚫︎日本の金融機関による投融資の総額は昨年版レポートから約5.6 億ドル増加しています。

⚫︎日本の投融資総額のうち、3つのメガバンク(みずほ、三井住友、三菱UFJ)が約9割を占めています。

⚫︎融資・債券引受(アンダーライティング)額の世界トップ10に、みずほフィナンシャルグループが6位、三井住友フィナンシャルグループが7位でランクインしています。どちらも融資額が昨年度と比べて増加しています。

⚫︎今回のレポートでは、日本政策投資銀行が新たに追加されました。一方で、昨年版レポートで挙げられていた芙蓉総合リースによる投融資は今回、指摘されていません。

おわりに

 近年の核軍拡を背景に、金融機関による核兵器製造企業への資金流入も増加しつつあります。一方で、核兵器禁止条約(TPNW)の成立をきっかけに、市民社会による「Don’t Bank on the Bomb(核兵器にお金を貸すな)」キャンペーンが展開され、金融機関から核兵器へのお金の流れを止めることで「核兵器のない世界」を作ろうという動きが広がっています。

 私たちのお金が核兵器製造につながっているかもしれません。自分の利用している金融機関を見直すことをはじめ、私たちにできる「核兵器をなくすための行動」を始めてみませんか?

コーディネーター 浅野英男
インターン 木場笑里

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