2023TPNWユースブログ③ーICRCユース代表としての取り組みー
私は、早稲田大学3年で赤十字国際委員会(ICRC)ユース代表として会議に出席している髙垣慶太です。昨年、ウィーンで開催された核兵器禁止条約第1回締約国会合に続き、今回も現地での活動の機会をいただきました。まずこの場をお借りして、関係者の皆さまに感謝を申し上げたいと思います。個人的な話ですが、アメリカ本土もニューヨークも初めてだったので、写真を撮り溜めています。笑
今回の第2回締約国会合期間における一連の行事でも、複数の発言する機会や各国の同世代と意見を交換する機会に恵まれました。特に、締約国会合4日目には条約の6条(被害者援助と環境修復)と7条(国際的な協力および援助)に関するICRCのステートメントを読み上げる機会をいただいたのと、会議の休憩時間に開催されたサイドイベント「ヒロシマから太平洋へ(From Hiroshima to the Pacific)」でスピーカーの一人としてお話する機会をいただきました。
ステートメントでは、広島と長崎の原爆被害に加えて、太平洋諸島で実施された核実験により日本の漁船や貨物船など約1,000隻以上の船が被ばくしたことを紹介し、被害者である漁業者たちが風評被害への懸念などから被ばくしたことを公にできず、被害が認識されない、また、必要な補償を受けることができない状態が生じたことを紹介しました。さらに彼らの中には、自分自身が被ばくしたことを自覚していない人々がいたことにも触れました。また、今夏にヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクトの支援を受けて、カザフスタン・セメイでのフィールドワークを行なったことも踏まえ、核被害は国境を越えるものであり、より広範な人々や生態系への被害調査が必要であることを提起しました。そして、ステートメントの最後には、それらの被害を知る教育の重要性を指摘し、それが核兵器の使用・開発に関するあらゆる活動を防ぐことを強調しました。
なお、上記で触れた漁業者たちの被ばくについては、昨年10月から毎月開催している「世界のヒバクシャと出会うユースセッション」の第10回で当事者の方々にお話を伺いました。下記ウェブサイトにレポートが掲載されていますので、ぜひご覧ください。
https://youth4hibakusha.mystrikingly.com/blog/session-10-02ab4590-bb13-4e54-bc36-939a28040393
個人的に、今回の会議では、前回と大きく異なる点がありました。それは、第1回締約国会合で知り合った海外の仲間たち、とりわけマーシャル諸島をはじめとする太平洋の友人たちとオンラインや広島で開催された広島・ICANグローバルアカデミー、G7ユースサミットなどの取り組みを通じて絆を深め、今回の会議を迎えられたことです。お互いに太平洋を共有しているまるで家族のような気持ちや、核兵器の被害を世界へと伝えていく同志であるといった気持ちが僕自身の中に育っていると感じています。大きな会議の中で、私たちの取り組みは決して大きなことではないかもしれませんが、それでも、世界の仲間たちと共に核兵器の問題に立ち向かい、2度と核兵器による被害が繰り返されないよう、そして適切に被害者の援助や環境修復が実施されていくよう、発信を続けていきたいと改めて感じています。一人ができることは限られていますが、こうして多くの人々とつながり、平和な世界・社会が訪れるよう、これからも自分にできることを模索し、努力し続けます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
早稲田大学3年 ICRCユース代表 髙垣慶太