Campaign News

2025年06月06日

核兵器をなくす日本キャンペーン 発足1周年記念イベントを開催しました!

 2025年6月1日、昨年4月に発足した一般社団法人・核兵器をなくす日本キャンペーンは、発足1周年記念イベントを東京の聖心女子大学で開催し、本年度の事業計画や核兵器禁止条約マニフェストの発表などを行いました。本イベントには、オンラインを含めて約150人が参加しました。

 まず第1部では、スライドショーで1年間の活動を振り返り、日本キャンペーン代表理事である、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の田中熙巳さんが「今日は若い人たちが多くて、勇気づけられました。核兵器を必ずなくすため、当面は核兵器禁止条約に日本政府が加盟するように、みなさんや全国の仲間で頑張っていただきたい」と挨拶しました。

 続いて、日本キャンペーン事務局コーディネーターの浅野英男さんが登壇し、日本キャンペーンの①政治への働きかけと②市民への働きかけ、二つの柱において、今年度は①の分野で「核抑止」を批判的に見直していくことと、日本が東アジアの軍縮促進のイニシアティブをとっていくことを、②の分野では、被爆者と出会い、核兵器問題について考える人を全国的に増やすことを目標にあげ、被爆者と若者が世代を超えて日本各地で対話の機会を設ける「Hibakusha Dialogue」のプロジェクトを紹介しました。

 さらに、6月1日付で学術アドバイザリーグループを発足させ、学術的知見に基づいて日本キャンペーンに助言を提供し、政策に反映していくともに、市民活動にも活用していくことを発表。最後に「核兵器禁止条約マニフェスト『日本がアジアでの核軍縮を主導し、核兵器禁止条約に参加するための提言』」を発表し、①どのように日本がアジアにおける核軍縮をリードすべきか、②日本が核兵器禁止条約に参加することでどのように核廃絶に貢献できるのか、について政策提言を発表しました。

 その後の「超世代トーク」では、ピースボートの田中洋介さん、パルシステム連合会の植田温子さんによる司会のもと、医療の分野から全日本民医連の岸本啓介さん、法律と教育の分野から日本反核法律家協会/明治大学の山田寿則さん、市民活動の立場から特定非営利活動法人ANT-Hiroshimaの渡部久仁子さん、学生の立場から東京都立大学の森本輝穂さんの4人が登壇し、核兵器の問題に関わるようになったきっかけや、世代を超えて活動を繋いでいくことへの想いなどを語りました。

 広島出身の渡部さんは、交流のあった被爆者のおばあさんが肺がんで亡くなる最期の2週間、呼吸困難に陥って息をするたびにベッドがきしむ様子などを見て、「腹が立って、悔しくてしょうがなくて。こんなに今まで苦しんできたのに、死に際まで原爆って野郎は苦しめるのかと思って。自分の中で(核兵器を)『なくす』というスイッチが入った」と振り返りました。山田さんは、「私たちの活動自体が平和を作っている、体現しているという自信を持ちたい。」、岸本さんは「核兵器禁止条約 がある時代に、若い世代と一緒にやれるのは(これまでと)違うな、と思います。そこ(条約)に向かっていくんだよ、と言えることは大事」と語りました。森本さんは「私たちは被爆者がいない時代の第一世代だと思う。私たちには発信力とか、ワイワイやる力もあるので、若者らしく頑張ることができる」と発言しました。

 第2部は、哲学者・作家の永井玲衣さんをお迎えした「核兵器をなくすダイアログ」のセッションから。「私は『話しあい』というより、『ききあい』と言い換えたい。相手が何を言おうとしているのかを、ジーっと黙って最後まできいてみるという機会が、この社会には非常に少ないのではないかと思っています。」と言う永井さんのもと、少人数のグループに分かれてニックネームを決め、「『核兵器』ということばの前に立った時、あなたが誰かと考えてみたい『問い』は何ですか。」というテーマに向き合いました。核兵器、平和、核を持つ国と持たない国、外交・安全保障、戦後80年――各グループ、結論を導くのではなく、皆が意見を出し合い、様々な視点から対話が生まれました。

 イベントの最後を飾ったのは、創価大学イチャリバチョーデーズ(沖縄の言葉で「一度出逢えば皆兄弟」の意味)による特別パフォーマンス。沖縄の伝統芸能・エイサーの踊りや太鼓の演奏が披露されました。ズシンと腹に響く太鼓の音とともに、ステージいっぱいに若者たちが躍動し、会場から一緒に立ち上がって踊る人たちも出て、熱気に包まれました。

 閉会挨拶では、日本キャンペーン副代表理事で日本被団協事務局次長の和田征子さんが「決してあきらめない。ポジティブに、ポジティブに、ポジティブに。へこまずにやっていきたい。一緒にやっていきましょう!」と呼びかけ、イベントは幕を閉じました。

 核兵器をなくす日本キャンペーンは、今回ご参加くださった皆さんだけでなく、多くのスタッフやボランティアの皆さんに支えられて1年間活動を続けてくることができました。本当にありがとうございました。日本をはじめ一国でも多くの国が核兵器禁止条約に加盟し、核兵器のない世界を実現できるよう、これからも改めてよろしくお願いいたします。

※イベントについて以下メディアで報道されました
共同通信『田中氏「日本が核廃絶先頭へ」 団体発足1年で記念イベント』
日本経済新聞『被団協の田中熙巳さん、核廃絶「日本が先頭に」キャンペーン団体発足1年』

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