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2025年09月02日

【開催レポート】ノルウェー・ノーベル委員会代表団との面会

 核兵器廃絶日本NGO連絡会は7月26日、来日したヨルゲン・バトネ・フリードネス委員長率いるノルウェー・ノーベル委員会代表団を迎え、東京・渋谷のコーププラザで意見交換会を行いました。

 意見交換会には、ノルウェー側から4名、日本側から11団体36名が参加。冒頭でフリードネス委員長は「ノーベル委員会として、受賞団体の母国を訪問するのは1901年の設立以降初めて」であることにふれ、「広島と長崎を訪問したことは、人生で忘れられない経験だった。『核のタブー』が危機に瀕しているなか、被爆者以外の新しい世代が、そして日本の市民社会が何十年もの間、非核の活動をしている姿に励まされた」と語りました。

 NGO連絡会からは、核兵器をなくす日本キャンペーン、日本生活協同組合連合会、日本反核法律家協会、ピースボート、日本パグウォッシュ会議、創価学会平和委員会などのメンバーが、各団体の活動紹介や質問を行いました。

フリードネス委員長「皆さんの歩みが世界平和構築のカギとなる」

 これに対し、ノーベル研究所のクリスチャン・ベルク・ハルプヴィーケン所長は「多くの団体が連携し協力し合っている状況に励まされる。被爆者の方々の苦しみに直接耳を傾けること、1945年以降の力強く継続されてきた活動、それをしっかりと理解することの重要性を再確認した」と述べました。
 ノーベル委員会のアスレ・トーヤ副委員長は「終末時計が89秒となったいま、これまでよりも日本の平和運動が重要になっている」と発言。「被爆者の証言が紙ベースで残っていると聞いたが、各言語に翻訳し、アクセスできるように尽力してもらえるとありがたい。被爆者の経験は日本だけでなく、世界中の人々が共有すべき価値があるものだ」と強調しました。
 ノーベル平和センターアソシエイトであるスティーブ・ブルーム氏は「私たちは教育機関であり、受賞者の声を広げていくのがミッション。日本被団協の声をもっと世界に広げるために具体的に何ができるのか、これからも連携していきたい」と呼びかけました。 

 こうした発言を受け、日本被団協の和田征子事務局次長は「記憶を大事にし、自分たちの言葉で伝える私たちの活動を、ノーベル平和賞に選んでいただいたことに感謝申し上げたい」と謝辞を述べ、「日本が変われば世界が変わる。語っていくこと、今まで語れなかったことを掘り起こしていくこと、それが草の根の運動であり、証言を通して普遍性を語ることによって、より多くの国が核兵器禁止条約にも入っていくのではないか」と語りました。

 2時間にわたる意見交換を経て、フリードネス委員長は「世界中で民主主義的な価値観が後退しているなか、それに対応していくためには対話と教育、とくに若者との対話が重要だ。民主主義的価値観は、平和を構築することにもにつながっている。日本被団協と、平和運動を行ってきた皆さんの今までの歩みが、世界における平和構築実践の大きなカギになると信じている」と語り、会を締めくくりました。

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