NGO News

2018年11月15日

【11/15】賢人会議メンバーとNGOの意見交換会

11月15日「核軍縮の実質的進展のための賢人会議」委員と市民社会との意見交換会が長崎原爆資料館にて開かれました。NGO関係者、被爆者、高校生平和大使など計12名が参加し、賢人会議委員らと意見交換しました。この意見交換会は昨年11月の第一回会合から二度目の開催になります。(過去の関連ブログはこちら

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座長を務める白石隆 日本貿易振興機構アジア経済研究所所長は、「長崎を最後の被爆地に」というメッセージは賢人会議全体で合意があると考える。一方で、いかにして合意にたどり着くか非常に難しい問題であるが、大きな二つの考え方の間で共通の議論の場を見つけることが本会議の大きな目的のひとつである、と述べました。

 

最初に市民社会側から代表者3名による冒頭発言がありました。

 

NGO関係者を代表して、川崎哲ピースボート共同代表/核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員は、①核兵器の使用は、いかなる状況においても国際人道法に合致することはないこと、②核抑止に基づく安全保障は危険でありその代替策を求める提言を期待していること、③核保有国は、核兵器禁止条約を敵視ししたりこれに署名・批准しないよう圧力をかけることをやめるべきであること、④核軍縮におけるジェンダーの視点と核軍縮プロセスにおける女性の参加拡大の必要性を提言に盛り込んでいただきたいこと、などを述べました。(発言内容はこちら

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次に、長崎の被爆者である森口貢「長崎証言の会」事務局長は、唯一の戦争被爆国と自認する日本政府は、核兵器の非人間性を訴えているのに何故、核兵器の禁止から廃絶へと動かないのか。核兵器禁止条約を、NPTを補完するものとして位置づけて、核保有国とは一線を画し核軍縮や核兵器廃絶に向かっての活動をするべきで、それが日本の「橋渡しの役目」である、と述べました。(発言内容はこちら

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最後に、第21代高校生平和大使を務める長崎県立諫早高校二年の山西咲和さんは、私には被爆者の方々が繋いでくださった“平和のバトン“を受け継ぐ意思がある。核兵器のない世界がどうやったら実現できるのかを、被爆者の声、市民の声を聞いた上で、世界各国の先頭に立って考え、実行して欲しい。私は核兵器や戦争の恐怖にさらされず、誰もが安全に生活できる世界で生きていきたい。賢人会議の皆様が被爆地や被爆者の願いをしっかり受けとめていただくよう期待したい、と述べました。(発言内容はこちら

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後半は自由発言・意見交換が活発に行われました。

核兵器禁止条約については、日本及び周辺国が現時点で賛同していないことについて委員側から指摘があり、日本や世界のNGOは世界のすべての国に核兵器禁止条約に署名し批准することを訴えてきた、核保有国が条約の署名・批准について他国に圧力をかけることのないよう賢人会議の提言に盛り込んでいただきたいと考える、と市民社会側が述べました。また、日本政府が核兵器禁止条約に批准するために具体的な改善策を考えていただきたいという要望があげられました。

 

核抑止論については、核抑止の前提にあるのは核兵器が私たちを守ってくれるという認識があるが、果たして、本当に核兵器は私たちを守ってくれるのかと市民社会側から質問が出され、それに対し委員側からは、通常兵器のみでは守りきることが出来ないため核抑止の脅威をもって安全保障に依存しているという考えがあるということ、一方でそのような考えをもつ国に他の国を脅威だと思わない信頼醸成を奨励することが必要であると述べられました。また、いかなる核兵器の使用も国際人道法上に合致しないというが、核保有国のなかには人道法に反しない核兵器の使用もありうるという見解が紹介され、その見解については委員内でも意見の対立が見られました。

 

NGOからの提言については、核保有国から非核兵器保有国への圧力があったということについて、そのようなことがあってはならず、まさに、礼節を持って議論が行われなければいけないし全員にとっての安全保障について考えていかなくてはいけないとコメントがありました。また、ジェンダーの視点・女性の参加拡大についても焦点を当てることが重要であり、その上で積極的に取り組むための工夫が必要で、例えば女性の参加拡大であれば具体的な数値目標が必要であることに指摘がありました。

 

被爆の実相や核軍縮・核抑止に関する「教育」については委員側、市民社会側共通して多く話題に取り上げられました。

市民社会側からは、日本の若者や核兵器廃絶を願う多くの人の気持ちを世界中に知ってほしいと訴えました。また、議論が分かれているときには共通の土台が必要であり、その土台作りに教育が重要だと思っている。平和教育をどのレベルの学校でも必修科目として学ぶ機会をつくることや学生が被爆地を訪れ学ぶ機会を政府主導でつくることへの提案などが述べられました。

委員からは、世界をみると核兵器の問題を現実の重要な問題だと考える若者は少ない。日本の市民社会の活動をさらに広げ国内外の地域ともつながりをもち交流を図ってほしい。それは核軍縮に対するメッセージを伝える機会だけでなく、他国・地域の若者に知識を持ってもらうことができるとても重要な機会である、とコメントがありました。

 

最後に我々市民社会の活動への期待として、一般市民へ核軍縮をめぐる問題についての認知をさらに広げてほしい、また、これからの未来を担う若者には、それぞれの立場や違いを理解し対話をして互いにとり良い世の中をつくることができるのか考え続けてほしい、と委員側から述べられました。

 

今回は約1時間、予定時間を超えるほどの意見交換をすることができました。

「核軍縮の実質的進展のための賢人会議」の今後の報告書に、我々が求めた提言や議論の内容が盛り込まれることを期待します。

 

▼このイベントに関する報道

NHK 11月15日 「賢人会議 NGOなどと意見交換」

KTNテレビ長崎 11月15日 「賢人会議が開幕」

NBT長崎放送 11月15日 「賢人会議2日目、長崎の被爆者や高校生と対話」

外務省 11月15日「『核軍縮の実質的な進展のための賢人会議』 第三回会合の開催(結果)」

朝日新聞 11月16日 「長崎)『核抑止』意見割れる 賢人会議、市民と意見交換」

毎日新聞 11月16日 「被爆者ら核廃絶訴え 具体的提言求める 意見交換会 /長崎」

長崎新聞 11月16日 「賢人会議 閉幕 『核禁条約に向き合って』 被爆者ら NPT重視の    議論進行に」

西日本新聞 11月16日 「『傍聴せず、橋渡しを』被爆者、賢人会議でけん発言」

東京新聞 11月16日 「核の是非 隔たり埋まらず 賢人会議閉幕」

読売新聞 11月16日「核軍縮賢人会議、第3回会合閉幕…長崎」

 

 

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